惟神之武道

 久琢磨著、昭和15年11月11日発行。惟神(かんながら、かむながら)とは、人為を加えない神慮のまま、という意味。見開きには「大政翼賛武道報國 門外不出大東流合氣武道秘傳 紀元二千六百年 久琢磨述」、更に次頁に「恩師 武田惣角先生、植芝守高先生に捧ぐ」と記されている。

 その内容は、「緒言」として、武術の起源、武道達成の祈願を記し、「大東流合氣武道秘傳」として、後に総伝写真集として再編される、朝日新聞社で撮影された植芝盛平(当時は守高)が指導した技の写真に、大阪八尾にあった久の自宅で追加撮影した写真が納められている。収録されている実技は、座技(正面打、横面打、手首取、袖取、肩取、両手首取、首締、裏技)、半身半立(手首取、突き、後襟取、後首締)、立技(横面打、正面打、手首取、袖取、突き、肩取、両肩取、首締、後襟首取、後技両手首取、掛手数種)、多数取(二人取、三人取)である。