技法・特徴

 技は武家時代のあらゆる攻守を想定して組み立てられており、彼我の懸勢からみれば、座技(居捕)、半身半立(半座半立)、立技(立合)、後技(後捕)などに区分され、その技法も投げ技、固め技、武器捕、多人数捕というように、さまざまな技法が駆使されており、技の総数は二八八四手にのぼるといわれている。また、これらの技は、体格・年齢・性別に関係なく、非力な者でも使うことができるように工夫されており、心気呼吸をはかって制する合気技と、関節の順逆を利用して投げ固める関節技、生理的弱点を攻める急所技などがあり、その全体に通ずる極意として合気がある。

 姿勢・体捌きは、剣技を基本とする端麗なものであり、特に武家の殿中技をしのばせる技法が残されている。まさに小具足の名残りを留めた素肌武芸の精華である。